今回は、私がシロアリ駆除業者に電話をしたときのことについてお話したいと思います。
「業者に電話をすると、しつこく折り返しの電話がかかってくるのではないか」と心配している方もいらっしゃると思います。しかし業者と話さないことにはシロアリ駆除は何も始まりません。

私も最初は「間違って悪徳業者に電話をかけてしまうことはないのだろうか」と悩みました。そこで、悪徳業者を寄せ付けず、優良業者とだけコンタクトできる「電話会話」を考えました。

その結果、良い業者に出会うことができたので、みなさんにお教えしても恥ずかしくないかなと思った次第です。

「シロアリ日記」のあらすじ
私(サラリーマンA、38歳)は最近、神奈川県横浜市の「すこしいいめ」の住宅街に、築25年のリノベーション済みの一戸建て住宅を購入しました。妻と小学生の子供2人も気に入っていたのですが、1階の和室の床下にシロアリが巣くっていたのです。私のシロアリ駆除の体験から、失敗したことや良い業者と出会えた経緯などを紹介します。

まずは駄目業者を除去できた事例を紹介します

良い業者と電話で話すことができた成功事例を紹介する前に、駄目業者を除去できた事例を紹介します。

電話をした先は営業専門業者でした

私が最初に電話した先は、複数のシロアリ駆除業者が登録する、営業専門業者でした。ネットで調べてそこの電話番号を見つけました。
その営業専門業者に問い合わせの電話をすると、問い合わせた人の住宅に最も近いシロアリ駆除業者が、その人に折り返しの電話をかけるシステムになっていました。

私がその業者を「駄目だな」と思った理由

私が営業専門業者に電話をすると、女性が出ました。私はまず、このように言いました。

「うちにシロアリが出たかもしれないのですが、まだシロアリ駆除をするかどうか決めかねています。正式に依頼しないかもしれないのですが、料金のことやシロアリ駆除の段取りについてだけ聞きたいのですが、大丈夫でしょうか」
これは当時の正直な気持ちでした。

「業者でないと回答できない」を連発

電話に出た女性オペレーターは次のように言いました。

オペレーター「はい、大丈夫ですよ。どのような内容でしょうか」
私「御社のホームページを見ているのですが、この坪単価○円というのは、これ以上お金はかからないという理解で間違いないでしょうか」
オペレーター「料金につきましては、業者から電話をさせますので、そのときに尋ねてください。こちらは取り次ぐだけの業務となっていますので、料金については回答しかねるのです」
私「…そうですか。では、実際にシロアリ駆除はどのような段取りで進むのでしょうか」
オペレーター「そのことにつきましても、業者でないとご回答できません」

この調子で、何を聞いても「業者が回答する」で押し通されました。それで私は、私の名前、住所、携帯番号をオペレーターに教えました。

コールバックはこなかった

携帯番号を教えた後に、しつこい営業電話が来たら嫌だと思い、私は電話口の女性に次のように言いました。

私「大変申し訳ないのですが、電話でいろいろ聞いても、シロアリ駆除を発注しないかもしれません。そのように、先方の業者さんにお伝えいただけますでしょうか」
オペレーター「承知しました。業者にはそのようにお伝えします。業者からの電話は、本日中になるかもしれませんし、明日になるかもしれませんが、ご都合の悪い時間はありますか」
私「何時でも大丈夫です」

ところがその日に電話は来ず、翌日も来ず、翌々日も来ず、とうとう業者からも、その営業専門業者からも電話は来ませんでした。

私は正直「商売にならない可能性が高いと、質問も聞いてくれないのか」と不快に感じました。そして「このような業者と接触しなくてよかった」と思いました。

次に白住協に電話してみました

次に電話をしたのは、白蟻駆除住宅補強協同組合(白住協)でした。電話番号とホームページのURLは以下の通りです。

  • 0120-640-713
  • http://hakujyukyo.or.jp/about/

白住協が駆除するわけではない

白住協自体が住宅に発生したシロアリを駆除するわけではありません。
白住協はシロアリ駆除業者の集まりです。白住協に電話をすると、自宅近くの業者を白住協が紹介してくれるシステムになっています。

事前に電話で尋ねる内容を決めておこう

私は白住協に電話する前に、尋ねることを書いた質問表を用意しておきました。その内容は次の通りです。

  • ホームページに「3,296円/坪」と書いてありますが、これ以外の費用はかからないのでしょうか
  • 駆除までの段取りはどのようになるでしょうか
  • シロアリ調査をしてもらったものの、結局は駆除を依頼しなかった場合、調査費用は有料になるのでしょうか
  • 他社に相見積もりを取ろうと思っていますが、問題ないでしょうか
  • シロアリ駆除に使う薬は住人に悪影響を及ぼさないでしょうか

白住協の電話オペレーターの回答

白住協に電話(0120-640-713)をしたところ、電話オペレーターから次のような回答をいただきました。

・お住いの地域を担当している業者からお宅様(私のこと)に電話を差し上げることになります
・費用は全国一律3,296円/坪ですが、その他に費用がかかるかどうかについては業者ごとのご回答となります
・薬剤についての説明も、業者ごとに行います

オペレーターの方と私の会話は次の通りです。

オペレーター「それではお客様のフルネームの氏名とお電話番号、ご住所をおうかがいしてもいいでしょうか」
私「まだ現段階では正式に駆除を依頼するかどうか決めかねているのですが」
オペレーター「承知しました。それでは電話番号以外は差し支えない範囲でかまいません」
私「携帯番号は090…(本物)です。名前はA(苗字のみ)といいます。住所は横浜市○区(区名まで)です」
オペレーター「1時間以内に必ず電話が参りますので、それまでお待ちください」
私「ありがとうございます」
オペレーター「ご都合の悪い時間帯はありますでしょうか」
私「特にありません」
オペレーター「それでは内容を復唱させていただきます。お名前はA様、電話番号は090…、住所は横浜市○区ですね。ありがとうございました。施工業者からのお電話をお待ちください」

「駆除を依頼しないかもしれませんが、大丈夫でしょうか」も聞いてみました

私「お電話をいただける業者さんにお伝えいただきたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」
オペレーター「はいなんでしょうか」
私「いまは費用や駆除の段取りを知っておきたいだけ、正式にシロアリ駆除を依頼するかどうか決めていないんです。ですので、話だけうかがって、発注できないかもしれません。それと、今回の話をうかがった後に、後日あらためて営業の電話をいただくことも遠慮したいのですが、そのようなことをお伝えしていただくことは可能でしょうか」
オペレーター「大丈夫ですよ。きちんと業者のほうに伝えておきます。業者からは必ず1時間以内には電話がいきますので、ご対応のほど、よろしくお願いいたします」

この電話をしたとき、私は実際「正式にシロアリ駆除を依頼するかどうか分からない」という心境でした。
そこで「後日、営業の電話をいただくことは困る」という要望を聞き入れてくださったことは、とてもありがたかったです。

白住協のスタンス(私なりの解釈)

この電話から、白住協のスタンスを次のように理解しました。

  • シロアリ駆除の個別具体的な方法は業者ごとに異なるので、白住協では駆除内容の詳細の話を聞くことはできない
  • よって白住協に電話をすると、氏名、電話番号、住所を尋ねられる
  • ただ、しつこく個人情報を聞かれることはない。氏名は苗字だけでもOK
  • 業者から電話がくる
  • 実際に発注するかどうか決まっていない状態で、費用や駆除方法などの詳細だけを尋ねることは快く応じてくれる

シロアリ駆除業者B社との電話のやりとり

白住協に電話をした20分後に、シロアリ駆除業者B社から、私の携帯に電話がかかってきました。若い男性の声でした。
結論から言いますと、その方の回答は大変満足できる内容でした。

ホームページに「3,296円/坪」と書いてありましたが、これ以外の費用はかからないのでしょうか

私の「ホームページに3,296円/坪と書いてありましたが、これ以外の費用はかからないのでしょうか」という質問に対し、B社の方は次のように答えてくれました。

B社「はい、1階の床面積に3,296円/坪をかけた金額より請求金額が増えることはありません」
私「もし床下の一部にしかシロアリがいなかった場合、費用がかかる面積を狭くしていただけないのでしょうか」
B社「当社では床下全体に薬剤を散布します。なぜなら、シロアリは見えないところにも潜伏している可能性があるからです。よって、床面積全体の費用をいただくことになります」
私「穿孔(せんこう、家の柱に穴を開けて薬剤を投入する駆除方法)はしてくれるのでしょうか」
B社「はい、穿孔を含んだ料金になっています」

駆除までの段取りはどのようになるでしょうか

シロアリ駆除の段取りについて、B社の方は次のように説明してくれました。

・家主(私)からあらためて調査依頼の連絡をする

・B社が住宅を訪問し調査を行い、後日あらためて見積書を提出する→家主が見積書を見て断っても費用は発生しない

・家主が見積書に納得したら契約を交わし、施工(駆除作業)の日時を決める
・作業時間は基本10:00~15:00だが、時間は家主に合わせる

・施工当日は、家主などが立ち会う

・施工終了、支払い

シロアリ調査をしてもらったものの、結局は駆除を依頼しなかった場合、調査費用は有料になるのでしょうか

B社は、見積書の提出後に発注しなくても、調査費も見積書作成費も発生しない、とのことでした。

他社に相見積もりを取ろうと思っていますが、問題ないでしょうか

B社の方は「ぜひ他社にも見積もりを取ってください」と言いました。

シロアリ駆除に使う薬は住人に悪影響を及ぼさないでしょうか

B社は、日本しろあり対策協会が認定する、

  • シロアリを殺す効果があり
  • 人の健康に悪影響を及ぼさない

薬剤を使っていると話していました。

私はわざと「それでも多少は住人の健康に影響があるのではないですか。シロアリ駆除をした後に住人が頭痛に悩まされたという話を聞いたことがあるのですが」と意地悪な質問をしてみました。
するとB社は次のように回答しました。

「薬剤散布後に不具合が出たことは1件もありません」

「シロアリ駆除の薬剤で頭痛が起きたという話は、かなり昔の話ではありませんか。というのも、20年近く前のある事件をきっかけに、シロアリ駆除の薬剤にヒ素を使わないことになりました。それまでシロアリ殺虫の効果が高いヒ素を使っていたのですが、シロアリ駆除業界全体で使わないことに決めたのです。
そこから、シロアリをきちんと叩きながら、人の健康に害を及ぼさない薬剤が開発されて、当社現在、その薬剤を使っています。
私のお客様では、薬剤散布後に不具合が出たことはまだ1件もありません」

B社はさらに次のように付け加えました。
「ただ、床下に作業員が入るときに住宅内にある床下点検口を開けるので、そのときに床下のカビの臭いが家の中に入ってしまうことはありますが、それはいかんともしがたいところです。もちろんその臭いはすぐになくなりますが」

私も、床下のカビの臭いはうちの家がつくっている臭いなので、仕方がないことだと思いました。

5年保証付き

5年保証が付いていることは、白住協のホームページにも書かれてあったのですが、念のため尋ねてみました。

私「ホームページに保証が5年間ついているとあったのですが、これは駆除から5年の間にシロアリが再発したら無償で再駆除してくれる、ということでしょうか」
B社「その通りです」

まとめ~「業者を試す」ことは少しは必要かもしれません

シロアリ業者に電話をするとき、「正式に駆除を頼むかどうかまだ決めかねています」という言葉は、効果があると思います。
悪徳業者は「契約を急ぐ」性質があるので、じっくり考える顧客は相手にしたがりません。
一方で、優良業者は「営業態度も含めて評判を高めたい」と考えるので、顧客に考える余裕を与えます。

本当は「すぐにシロアリを駆除してもらいたい」と思っているのに、「正式に駆除を頼むかどうかまだ決めかねています」と言うのは、業者を試すようで申し訳ない気持ちになる方もいると思いますが、ただ私は自己防衛の手段としては許容範囲と考えました。いかがでしょうか。